「ヒバ」は、大きく区分すると北方型と南方型に分れます。「青森ヒバ」は北方型で学名(和名)を「ヒノキアスナロ」といい、本州中部以西にある南方型を「アスナロ」といいます。青森ヒバはアスナロに比べ蓄積も豊富で材質的にも優れており、古くから社寺仏閣、城の築材として珍重されてきました。
青森ヒバという名前は通称であり、正式には、ヒノキ科アスナロ属の針葉樹。秋田スギ・木曽ヒノキとともに日本三大美林のひとつに数えられ、全国の現存量のおよそ7割が青森県の津軽・下北両半島に存在しています。材質は耐朽性・耐湿性等に優れ、ヒバ材を使用した建築物には、中尊寺金色堂(1125年建立)など、現存する文化財もたくさんあります。青森ヒバには、シロアリが忌避性を示す物質を持っています。青森ヒバを食べた場合、ヒバの抗菌成分がシロアリの腸内に共生する原生菌を死滅させ、消化出来なくなりシロアリ自身も死に至ります。青森では末永く家に住めるように、新築の際は、最低でも土台、柱には青森ヒバを使うことが多いです。しかし、現在は青森ヒバを保護する目的で、平成13年度より政府による伐採量の調整が行われており、伐採数量が大幅に削減され青森ヒバは益々入手が難しいのが現状。なお、青森ヒバが一人前に成長するまでには、300~600年の長い歳月がかかります。
青森ヒバのほとんどは国有林です。これまで青森ヒバを伐採した後は、ヒバの木の植林をしておらず、代わりに杉を植えていました。現在は保護育成のため、青森ヒバの伐採量を大幅に減少し、伐採も今まで以上に計画的に行っています。
母樹となる木から落ちた種より発生した苗を育てる作業を実生天然更新といいます。
地面近くから横に張り出した下枝が地面に接するとその枝が根付いて成長していくという方法で、ヒバの特徴でもある。